Kyoto Social Problem vol.9 【女猟師】 林利栄子さん

「生きるということは命を燃やすこと」


大学を卒業後、営業の仕事をしていたが、
『もっと自然に人と仲良くなれる仕事をしたい』と思い
いのちの里京都村に転職し、女猟師になることを決めた。

今回のゲストは、そんな生き方を選んだ方
林利栄子さん

-猟師になろうと思ったきっかけはなんですか?

林さん1
「イベントで鹿肉の肉まんを販売していた時に、
子供が『鹿を食べるのはかわいそう』と言われたこと。
その子にとって牛や豚は食べることに抵抗がないけど、鹿は特別だったのでしょう。
その時、私はその子に『豚も牛も同じ命なんやで』って言うことができなくて、
自分には食肉の知識が足りないって思ったんです。

命の現場、何を食べて生かされてるのかということを自分の目で見ないといけない。
そう思い、猟師になることを決意しました。

また、NPO法人の職員には博識な人が多いが、自分は何も持っていないと感じ
『何か手に職をつけなくては』と思っていたから。
当時は女性猟師は珍しかったので、知り合いのベテラン猟師に教えを請い、資格に挑戦しました。」

-猟師の活動を通じて最も印象に残っていることってなんですか?

「おなかの中に赤ちゃんのいる鹿を仕留めた時です。
解体をしているときに、この親鹿はきっと子供を守るために必死だったのだろうと思い
ショックで涙が出てきて、自分が無駄な殺生をしている気がしてきた。
『スーパーでお肉は売られているし、わざわざ猟をして食べなくてもいいやん』
話題作りのために猟師をしている気がしてきた。
その時に母親から『でも農家さんは本当に困ってはるんやろ?
困っている農家さんを助けてあげられるのは猟師しかいーひんねんから、あんた頑張らないと』
そう言われて、改めて自分が猟師をやっている意味に気づかされました。

そして、人間というものはほかの生き物の命の上に生かされていて、
そのことを知らないままでは、生きることの価値を損なうのではないかと 感じるようになり、。
それまでは、『命』にばかり目を向けていたが、『生きる』ということに意識が行くようになった。」

林さん2

-猟師の存在が社会に提供している価値はなんですか?

「私が猟師をしていることで、人それぞれに合った自分らしい生き方を
提示できているのではないかと思います。

一般の人からすると猟師という仕事はとても特殊な仕事にみえてしまうもの。
しかし、20代で女性でみんなと同じ服を着て、同じものを持っている私が猟師をしてるということで、
自分の可能性を感じてもらったり、世の中には様々な働き方、ライフスタイルがあるということについて
知ってもらう機会を提供することができていると思います。 」

-林さんが猟師を通じて得られた価値は何ですか?

「たくさんの人と出会いと自分のライフスタイルを見直すことができたことです。

猟師を始めるまでは、毎月お給料をもらって、正社員として働くことこそが安定だと
考えていました。
けれども、いまはそれと全くかけ離れた生活にも関わらず幸せなんです。
周りの方にも林さんは幸せそうですねって言われます。

人に出会っていくことによって、こんな生き方もあったんだとか、
こんな山奥に住むことができるんだとか、たくさんのライフスタイルがあることに気づきました。 」

-女猟師として、これを読んでいる人に一言お願いします。

林さん3
「生きることは命を燃やすこと

生きるってことは当たり前じゃないし、心臓がただ動いているわけでもありません。命が燃
えているんです。人は命を燃やすためにすごいエネルギーつかってるいるのだから、、エネ
ルギーをつかってる分、体内で燃やすだけじゃなくって外でも燃やしてほしい。

ただなんとなく生きるのではなく、好きなことに熱中するとか感動するとか頑張って
良かったな、という五感とか喜怒哀楽というものを十分に機能させて生きていってほしいです。」


団体名 NPO法人いのちの里京都村


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fstylemagazine編集長

Reset of F style. Fstyle magazine,の編集部です。 烏丸に出掛けたくなる情報発信中。

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