Kyoto Social Problem vol.8  【立志塾】 中尾憲司さん

今回のゲストは
株式会社ヒューマンアクティベーション代表取締役
中尾憲司さん

株式会社ヒューマンアクティベーションの
就労支援・キャリアデザイン事業の取り組みの一つである
“立志塾”についてお話を伺ってきました。

中尾さんの写真1

”立志塾”とは

若者がグループワークを通じて自分自身と真剣に向き合いながら
自己理解を深めるとともに、これからの人生で何をしたいのか
また、社会とどうかかわりたいのかを明確にし、
その実践を共に励まし支え合うための場。

「過去と他人は変えられない。自分と未来は変えられる!」
「強く思い描いたことは必ず現実化する!」
という考え方のもと、自分自身を見つめ
自分らしい生き方・働き方を自ら積極的に創るきっかけとすることを
目的にしている。

―立志塾をはじめたきっかけはなんですか?

「大学のキャリア教育や就活支援に携わる中で、
『自分のやりたいことが分からない』
『仕事とはお金を稼ぐこと』
そんな考えの学生たちにたくさん出会ってきた。
そして、キャリア教育や就活支援でかかわってきた学生が
入社して3年以内で退職したり、鬱になってしまったケースを
いくつも見て、現代の若者たちの仕事観というものに
問題があるのではないかと感じはじめたことがきっかけ。

私自身、“固有の用(その人の人生には意味がある)”という考え方を
生きるテーマにしていて、
『仕事とはより良い社会にするために、自分の長所を生かして他の人の役に立つこと』
だと考えている。

一人でも多くの若者に
『仕事とは自分を満たすことではなく、だれかや社会のために貢献すること』
『自分の人生には意味がある』
ということを知ってもらい、自分の人生について考えてもらうために
“立志塾”をスタートさせた。」

中尾さんの写真2

―“立志塾”が社会にもたらしている価値は何ですか

「若者たちに、自分自身と真剣に向き合いながら自己理解を深め
これからの人生で何をしたいのか、社会とどう関わりたいのか
なにより、自分らしい生き方、働き方について若者たちが積極的に考える機会を提供していること。」

―活動の中で最も印象に残っていることは何ですか

「内定を辞退してまでも、自分のやりたいことにチャレンジした、男の子のことが最も印象に残っている。

その子はもともとパティシエ志望で、大学でも料理サークルに所属していた。

就職活動の時に、食品会社に内定をもらっていたが
『このままいったら、じぶんは食品商社で営業マンとして人生を終えてしまうかもしれない。
お菓子作りをできなくていいのだろうか。』と、とても悩んでいた。

相談を受けた私は彼に、
『自分のやりたいことをやったらいいやん。行きたくなかったらやめとけばいいやん。』と言って、
ベンチャー系のお菓子会社を紹介した。

その結果、彼は両親を説得し、職員会社の内定を辞退し、自分の意志でお菓子会社に就職した。
今では会社のホームページで紹介されるくらいに活躍し、とても生き生きしている。

このことは、“立志塾”の目的である『自分らしい生き方、働き方』を体現してくれて
学生のチャレンジに対して、背中を押してあげることができたということとしても、とても印象に残っている。』

―活動が中尾さんにもたらした価値はなんでしたか?

「『継続』の重要さを再確認できたこと。
現時点で“立志塾”の取り組みは、赤字にはなっていないが利益を生み出すことはできていない。
けれども、スタートしてから6年たって、
継続することでいろんなおもしろい事例や活躍してくれる人がでてきたり、
取り組みに共感して協力してくれたりする人が出てきて、
活動の幅が大きく広がってきている。

そういった意味では、私は”小さく初めて大きく育てる”ことが社会事業の基本なんじゃないかと思う。
最初から大きなことをしようとすると、しっかりとした資本や実現性などが問われるが
小さく始めることで、自分の余っている時間と少ない予算から少しずつ形にすることができる。
時間はかかるが、いろんなケーススタディを繰り返し、改善していく中でファンもついてきてくれる。

“立志塾”のスタート当初も、社内から事業に取り組むことに疑問の声が上がっていたが
今では会社の重要な事業の一つとして認識されてきていることで、
小さく始めて大きく育てることの重要性を改めて感じた。」

中尾さんの写真3

―これを読んでいる人に一言

「”知行合一”
陽明学の言葉で、『知ることと行うことは同じである』という意味。
私たちはよく聞いたり、本を読んだりして知識を取り入れはするのですが、
実際に行動に移さない限り意味をなさない。

これから社会に大きな変化が訪れる。
人口問題や環境問題、AIやグローバリゼーションなどの技術や社会の仕組みが
変わってくると思う。
よく、15年後には今ある仕事の6割が価値をなさなくなるといわれている。

親が子供のことを思って、安定した会社に入ってほしいと望むが
それが本当に5年後、10年後まで安定しているかなんてわからない。
今までにない職業の変化、社会の変化、生活の変化がくるだろうから。
変わるということは、これまでのことが否定されてしまうこともあって、
すごく不安なことでもある。

ただ、この変化が新しい価値観や新しい社会などといった、今までにないものを生み出していくので、
逆に変化をチャンスだと捉えることが重要になってくる。」


株式会社ヒューマンアクティベーション


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fstylemagazine編集長

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